脳卒中ってどんな病気? 突然倒れる前に知っておきたいこと

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Types of human brain stroke vector illustration

こんにちは、べっせるです。
今回は「脳卒中」のお話をします。
脳卒中は日本の死因の第4位(1位:がん 2位:心疾患 3位:老衰)であり、誰にとっても他人事ではない脳の病気です。
今回は脳卒中の全体像を把握する目的で、脳卒中の種類や症状、予防法をわかりやすく解説します。知っておくことで、あなたや大切な人の命を守るきっかけになります
個々の疾患別のもう少し専門的な話は別の回でお話しします。

ある日突然…は本当に突然?


「昨日まで元気だったのに、急に倒れて…」
救急外来でよく聞くご家族の言葉です。確かに、脳卒中は“突然”発症します。しかしその背景には、高血圧や動脈硬化、生活習慣病など、長年かけて積み重なったリスクがあります。

脳卒中とは? 3つのタイプを知ろう


「脳卒中」とは、脳の血管に異常が起きて、脳細胞に障害が起こる病気の総称です。主に次の3つに分けられます。

🧠① 脳梗塞(のうこうそく)【約70%】
 脳の血管が血栓(血の塊)や動脈硬化で詰まり、血流が途絶えて脳の一部が壊死してしまう病気です。

  • 主な原因:動脈硬化、心房細動(不整脈)など
  • 特徴:片側の手足の麻痺、言葉が出にくい、めまい など
  • 発症:朝方や睡眠中に起こることが多く、ゆっくり進行することも

🩸② 脳出血(のうしゅっけつ)【約20%】
 脳内の血管が破れて出血し、脳を圧迫する状態です。

  • 主な原因:高血圧
  • 特徴:激しい頭痛、片麻痺、嘔吐、意識障害 など
  • 発症:日中に突然起こることが多い

⚡③ くも膜下出血(くもまくかしゅっけつ)【約10%】
脳の血管にある動脈瘤(血管のこぶ)が破れて、脳の周りに出血する病気です。

  • 主な原因:脳動脈瘤の破裂
  • 特徴:若年層にも起こりうる、命に関わる疾患です
  • 発症:突然の激烈な頭痛(経験したことのない痛み)

見逃してはいけない脳卒中の前兆とは

脳卒中の一部は、前兆症状を伴うことがあります。次のような症状が数分〜数時間で回復する場合でも、すぐに医療機関を受診してください

  • 片方の手足がしびれる、力が入らない
  • ろれつが回らない、言葉が出てこない
  • 顔の片側がゆがむ
  • 視界が欠ける、二重に見える
  • 突然の激しい頭痛(特にくも膜下出血)

✅ 覚えておこう「FAST」チェック

脳卒中のサインはFASTで覚えましょう。

  • F:Face(顔)…笑っても片側の口角が下がる
  • A:Arm(腕)…片方の腕をまっすぐ上げられない
  • S:Speech(言葉)…言葉が不明瞭、返答がおかしい
  • T:Time(時間)…1分1秒でも早く救急要請を!

これらの症状が1つでもあれば、すぐに119番通報してください。救急車を呼ぶことが、命と後遺症を左右します。

脳卒中を予防するために、今日からできる5つのこと

  1. 血圧を測る・下げる
     高血圧は脳卒中の最大リスクです。75歳未満で130/80mmHg未満、75歳以上で140/90mmHg未満が目標です。定期的に血圧を測り、これよりも血圧が高い方は病院に行き医師と相談しましょう。
  2. 禁煙する
     喫煙は血管を傷め、動脈硬化を進行させます。脳卒中の全てのリスクを上げます。1日1本の喫煙でも、1日20本吸っている場合の半分程度の脳卒中発症リスクがありますので、厳しいですが少しなら良いということはありません。5〜10年の禁煙で脳卒中のリスクは低下します。
  3. 適度に運動する
     中等度の身体活動(軽く息が上がるが、会話ができる程度の運動)を週に150分すると脳卒中リスクが約35%も下がります(2024年報告、米国での大規模研究)。

    1日20〜30分のウォーキングでも十分です。

    その他の中等度の身体活動の例としては、ガーデニングや軽度の農作業、水中歩行、軽めのダンス、ヨガ、家庭内の掃除や片付けなどなんでもOKです。

    週に2〜3回の筋トレを追加するとさらに脳卒中予防の効果が上がります
    長い時間やる必要は無く、1回5分未満でもよく、体幹部の筋力upを意識したスクワット・腹筋・背筋などが効果的です
  4. 食事の塩分に注意
     減塩を心がけ、野菜・果物・青魚を積極的に。
  5. 健診を受ける
     不整脈(心房細動)は血栓ができやすく、脳梗塞の原因になります。心電図にて不整脈を指摘されたら、循環器内科・心臓内科医に相談しましょう。

予防は「特別なこと」ではなく、「日々の小さな積み重ね」です。

30〜50歳代で血圧140以上は要注意です
まずは定期的に血圧を測りましょう

もし脳卒中が起きたら?救命の分かれ道

脳卒中は、「時間との戦い」です。特に脳梗塞の場合、発症から4.5時間以内なら血栓を溶かす薬(t-PA)が使用可能です。
また近年は、血管内治療(カテーテルを使った血栓回収術)によって、救命や後遺症の軽減が飛躍的に進歩しています。頭部CT・MRIを行い治療できるか判断しますが、血管内治療に関しても時間との勝負になります。

迷ったら、様子を見ずに救急車を呼ぶ。
これが、命と生活を守る第一歩です。

まとめ

脳卒中は突然起こるように見えますが、日々の生活習慣が大きな影響を与えています。予防と早期対応が何よりも重要であることを理解し、日常生活に取り入れていきましょう

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